Maqaw
朝6時半起床。太陽はまだ上りかけ。しかし、忠孝復興駅3番出口に集合する頃には、強い日差しに照りつけられた。今日の目的地は桃園県の復興郷である。台湾交通部観光局が主宰する体験ツアーに今回参加することになった。今回のツアーのテーマは「有機果物」とのことである。
バスに乗っている間ももどかしく早く楽しみたい気持ちでいっぱいだった。車窓からの景色は徐々に風光明媚なものになり、青い空、そしてきれいな空気が満ちてきた。するといつのまにか復興郷に私たちは入っていた。まず、角板山で小休憩をした。ここではご当地の特産品が各々の店で売られていた。シイタケや桃(水蜜桃)、特色のある料理などなど。もちろん私も作りたての桃のジュースを飲んでみたい誘惑に駆られ、飲んでみた。冷たく濃厚な桃の味は一口だけで、台湾の夏の暑さを忘れさせた。
30分ほどの休憩が終わり、バスはさらに山の中へ。曲がりくねった道を30分位進むと、原住民の部落に到着した。バスを降りると私たちは微笑みを浮かべた原住民の皆さんの熱い歓迎を受けた。私たちは原住民の民族衣装を着せてもらい、さらに手作りの名札と原住民の名前を割り当ててもらった。私の名前は今日一日「マカオ(山椒)」となった。山椒は小粒でもぴりりと辛いんですよ! 覚えやすくておもしろい名前でしょう。
客人を招くときの伝統的な儀式があり、私たちもその儀式に参加した。まず客人の悪運を取り除き、次にみんなで輪になった。そして神様に乾杯し、祖先と大地に感謝と尊敬の気持ちを表わして儀式は終わった。その後、伝統手舞踊を一緒に踊った。私は踊るのは苦手だが、親切に教えてもらって、リラックスして楽しむことができた。
山では、原住民たちはとてもエコな生活をしている。竹を使って休憩用のスペースや簡単な厨房や食堂を作っている。元々の大地における家とはこのようなものだったのだろう。私たちも一人ひとりが昼食に使う食器や箸を竹で熱心に作った。美しい作品となったし、今回の一番いい記念品となった。厨房から香ばしい匂いがすると、一つずつ料理が運ばれてきた。全てタイヤル族の料理である。山草や彼らが耕作した有機野菜、“戦利品”たるコウモリ、ご主人たちが明け方に渓流で採ってきた川海老…。私たちはさらに竹筒を飯盒にして作ったご飯も食べた。DIYの食器とタイヤル族の特色のある料理でお昼ご飯は和気藹々とした雰囲気で取ることができた。
お腹がいっぱいになったところで、渓流へ涼みに行った。この暑さのため同じことを考えている人も多く、けっこう人がいた。元々原住民は夏の週末は川辺でバーベキューをするようである。その様子は満足げだった。私たちは私たちで、川のきれいな水と戯れた。多くの小魚や小海老が悠々と泳いでおり、都会の喧騒をひと時忘れることができた。
午後、原住民の弓矢を体験した。目で目標を定め、腕の力を以って照準を定める。原始的な工具で野獣をしとめる原住民の知恵である。さらに狩猟に使う罠を見せてもらった。これは大自然の中で人類が獣たちに対峙するための経験と知力の結集である。ただし、経験の累積と伝承もまた重要である。
今日のデザートは原住民の “モチ” である。熱い蒸した餅米を臼に入れ、杵で交代で突く。背中に汗が滴る中、美味しい餅はできあがった。もちもちとした食感と黄な粉の微かな甘さが感じられた。一口食べるごとに餅つきで失った体力が回復していくようだった。
一日の活動が終わった。ゲストとして来た私たちだったが、帰るときが来た。タイヤル族の女性が教えてくれた歌の歌詞の意味は、「来てくれてありがとう。またぜひ会いましょう」とのことである。名残惜しかったが、いい思い出になった。